2007年5月16日
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「ギターと共に過ごした青春時代。・・そして今、再熱・・」
 
(Yukiharu/1956年生/兵庫)


高校1年生の時、クラスの友人が、フォークソングに熱中していて、俺にも聞けと言って、無理やり「岡林信康」さんや、「吉田拓郎」さんのレコードを貸してくれた。(当時は、レコードしかなかった。) 一応最後まで聞いたが、余り興味が沸かなかった。 なんて暗い、変なメロディの歌なんだろう(御免なさい。)と思い、すぐに返した。 「 どうやった、ええやろ。」「まあまやな。」と会話をするだけで話しは盛り上がらなかった。(盛り上げなかった。) 

その後も、自分から進んで聞こうとは思わなかった。 と言うのも、俺は中学生時代に一世を風靡したGS(グループサウンズ。 今で言うバンド。)の軽快な曲が好きだった。 その頃もしギターが買えるような環境であれば、エレキギターを買っていたかも知れない。

そんな俺が何故、フォーク、と言う話しになるんだけど・・・。 依然として高校では、フォークブーム。 文化際で弾き語りをする者、放課後、教室でギターを弾いて歌っている者が現れ出し、何時しか俺もイイなと思うようになってきた。 そこで、ギターを持ってない俺は、人のを借りて、見様見真似で引いてみたりなんかした。 

そのうちだんだん自分のギターが欲しいと思うようになり、やっと手に入れたのが、高校卒業と同時で、クラスの友人から買った、中古のヤマハFG140であった。(バイトで貯めた金で買った物、確か6,000円位だったと思う。) 

その後、就職をし、寮生活をしながら、夜一人で拓郎さんの「落葉」や「都万の朝」などを練習し始めた。 時同じくして、同じ寮の先輩にフォークソングの好きな人がいて、その人の部屋で拓郎さんや、陽水さんのレコードをよく聞かされた。(ギターはやらなかったのだが・・・) その中でも、陽水さんの「もどり道」と言うアルバムに心を惹かれました。 

それは、陽水さん一人で、ギター1本による弾き語りのライヴ盤だった。 「うわーっ凄い、ギター1本で、これだけ迫力があるのか、これだけの人を魅了させられるんだ・・。」と、その時俺のテンションは、一気に上昇し、俺も陽水さんのようになりたい、拓郎さんのようになりたいと思った。(大変おこがましいが・・)

その後、仕事の関係で、実家へ戻ったが、相変わらず上達しないが、ギターは弾いていた。 そんな時、この地元にフォークソングのサークルがあることを知り、早速入会した。 この会は、ギターのテクニックや、歌唱力を磨くと言う目的ではなく、週に1回フォークソングの好きな若者が集まり、皆んなで輪になって、ギターを弾き、フォークソングを大合唱するというものであった。 又、年に1〜2回位は、自分達手作りのコンサートも開催した。 内容的にも、メンバー各々が日頃練習をしている歌を発表する、個人出演のコーナーも設けた。 そこで俺も一応活躍していたのだ。

その頃、松山千春さん、長渕 剛さん(以下、TN)が、次々とデビューし、俺の心が、千春さんの声、歌。 剛さんのギターテクニック、歌に魅了されて行くには、それ程時間は掛からなかった。 それからというもの、二人の歌はよく練習した。 もちろん今でも、よく歌うレパートリーになっている。 そんなこんなで、ギターを通じて色々な人と知り合いになり、楽しい青春時代を過ごした。 そして、フォークソングの会で知り合った、一人の女性が俺の奥さんである。(オノロケで御免。)

結婚後は、子育てに追われて、ギターを弾く機会も少なくなった。 もっとも、弾かなくなった理由は、TN氏が、ある日「テレキャス」にカポを付けて歌っているのを、某局のテレビ番組で偶然見たからである。 かつてあのボブ・ディランがエレキギターを持って歌った時、石を投げられたと言う有名な話を聞いたことがあるが、まさしくそれと同じ心境である。

永らく封印していたギター熱が、突然、再熱したのは、今から8年程前である。TN氏が、これ又あるテレビ番組で、「Gibson-J50」を手にし、昔とは別人の様な姿と声で弾き語りをしているではないか。 一瞬俺の目は点、「こうしちゃ居られない。」って感じで・・・その後は、ご想像にお任せしますが、留まる処知らずと言う感じで、ギターが増えて行った。 TN氏が持っているギターは全て手に入れたい、とまで思った。(どうしようもなくミーハー親父と化して行った。) しかし・・・次から次へと新しいギターを手にして現れるので、もう駄目、お金が・・追いついて行けねーである。 当たり前の話しだけど・・(笑)  その度に、奥さんの頭からツノが・・・。

この頃は、目が覚めたようで、少し落ち着きを取り戻しつつ、テクニックを磨く方に専念したいと思っている。(しかし、どうなっちゃったんだろう、TN氏の「Yamaha−L53カスタム」は・・・。)
 
最近では、ギターを通じて新しい友人も出来たし、昔のギター仲間にも再会することが出来た。 これは、ギターをやってたからこそ(再開したからこそ)出来た事であるし、本当に良かったと思う。 これからもずっと続けて行きたいと思っているし、ギターが弾けると言う環境(社会的に、家庭的にも・・。)に感謝したいと思う。




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