2009年12月15日
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「酒とギターと男と女」
 
(鳥さん/1956年生/埼玉)


 1956年生まれの中年シンガーです。初めてギターを手にしてから40年が経とうとしています。当然のように70年代のフォークの洗礼を受け、高校でフォークソング同好会を創設し、大学でもフォークソング同好会に入部し、学生時代はいつもそばにギターがあったといえます。バンド経験も少しありますが、ひとりで歌うほうがが好きで、社会人になってからはほとんどひとりです。しかし、このごろハモの気持ち良さやリードギターが入る間奏もいいなと思いはじめています。楽しそうな練習風景がふっと頭に浮かんできたりするのは、やはり年のせいなのでしょうか。

 手持ちのギターはギブソンJ-45とLG-1、マーチンD-19、タカミネのエレガット、個人製作家ギター「キングフィッシャー」の5本。曲により弾き分けると多彩な音を出します。

 「キングフィッシャー」は私のデザインによる息子の作品で、あまりストローク向きではありませんが、ピッキングに特化した優れものです。トップにシダーを使った優しい音を持つギターで、名前はカワセミの英名、ヘッドのインレイに由来します。

 歌を歌うのが好きではじめたギターですので、根本的にギターは伴奏でいいと考えています。少しはフィンガーピッキングなどもやりますが、正確なチューニングとそこから奏でる美しい和音、弾きはじめたら正確なリズムを刻むのがフォークギターの真髄です。歌の邪魔をせず、しかしきちんと主張するギターを心がけています。もちろんカラオケも好きですが、やはり生演奏が一番です。年をとったせいでしょうか、このごろは歌える歌なら何で好きという感じで、演歌もギターで歌うと流しのような雰囲気でいいものです。

 そして酒。酒とギターと男と女?コーヒーや紅茶では絶対に醸し出せない、アルコールと煙草の煙が混ざった喧騒の奥にあるおとなの世界が好き。きっと私の中に音楽と酒の離れがたい関係があり、ガヤガヤとした暗い飲み屋でひとりギターをかかえて歌う自分の姿が見えるのでしょう。古井戸のセントルイスブルースやちどり足などを悲しげに歌い、拓郎の落陽や旅の宿を物まねて、挙句の果てにオリビアにあこがれて、をハスキーに歌い上げてしまう脈絡のなさ。なに飲めばこれくらいのことはできるさ。酒は歌の潤滑油だからね。




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