2010年6月28日
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「ストレスと転機」
 
(yabbey road/1957年生/岡山)


ふと気がつくと50歳を超えていました。
大学を卒業し、働き始め30年の歳月が過ぎていました。この30年間で私は一体何をして、何を残せたでしょう?

そんな気持ちにさせる出来事がありました。会社内で同期入社の社員とつまらないことで口論となったのです。ほんとに些細な事です。
彼も私も部下を何人か持つ管理職の身、ただ彼の方が出世は早く、同じ管理職でも役職は上、会社トップに近い位置におり、本来なら私が何か意見できる立場ではありません。しかしながら私も自分の意見を引けずに、熱くなり口論は並行線のままでした。

その後、ひとりになり、だんだん冷静になってくる自分がいました。そうするといろんなことが頭をかすめます。このままでは会社を辞めなければならなくなるかもしれない。そうなると家族はどうなる、家のローンは等・・・だんだん辛くなってきました。
彼の携帯に電話を入れ、詫びました。

この時思ったのです。自分の人生って何なんだろう、と。
誰もが、ここのところの不況下でフラストレーションも溜まってるでしょうし、発する言葉もだんだん辛辣になって来てます。ほんとにストレスの溜まる毎日です。しかしどこにも逃げ場がない。私は本来楽天的な性格のはずですが、結構しんどくなってました。健康診断で胃カメラ飲んだ時、初めて胃潰瘍があると言われたのもこの頃です。

暗い話になってきましたが、そんな時ある人の呼びかけでその人のバンドに参加させてもらえる機会があり、30年ぶりにギターを手にしたのです。その時はエレキでしたが、ギター弾く楽しさを思い出させてくれました。
中学2年生で初めてギターを手にし(お年玉を貯めて買ったヤマハのFG-130)、大学を卒業するまで、ずっとそのギターと一緒でした。ほんとに片時も離さずでした。
30年ぶりに手にしたこのヤマハのギターは「久しぶりやね、元気にしとったんか?」と聞いてくれてるようでした。当時感じてた弾き難さもそのままで、正直涙がでるくらい懐かしい気持ちでした。

そしてギターを弾くことで、すこしづつ心の中で何かが変わってきたように思えるのです。
今もストレスを感じる毎日ではありますが、ギターと戯れることで、少しは緩和されてるのかな、と思います。

幸いなことに最近の検査で胃潰瘍も完治したことがわかりました。
今はSP四国に参加させて頂き、ライブで演奏し、少しでも上手になるようがんばっております。私を暖かく迎えて頂きました四国SPの皆様にこの場をお借りし、お礼申し上げます。





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