2013年2月21日
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「ガンダーラの国にて早一年」
 
(TOYOSANS1/1964年生/インド、デリー)


「ガンダーラの国…」と、タイトルを決めてしまいましたが、実は当地インドの仏教徒の比率は約3%程度です。人口公称12億人の約70%の人がヒンズー教徒であり、15%がイスラム教徒、10%強がキリスト教徒、…ざっくりそんな感じです。

インド博物館には、何とB.C500年頃に見つかった【仏舎利】が保管されていますが、それほど大切にはされておらず、一緒に写真が撮れます。以前にタイのロイヤルが訪印した折、あまりの保管の悪さに心を痛め、15年位前にタイから金とダイヤモンドのケースが贈呈されたので、保管状態は良くなったようですが。

小生がインドに駐在して早1年が過ぎました。この間、いろいろの発見があったのですが、一番痛感したことは『インディアン嘘つかない、インド人もビックリ』は大嘘だったという事です。

何事にもおおらかで、且つB型が80%を占めると言われるインド人の気質は、一言で『いい加減で理屈っぽい』です。当然、ごめんなさいは言わないし、自分の興味がある事には関係なく寄って来て、知りもしない事を訳知り顔で助言したりします。例えば、会社訪問の途中、道に迷って路肩の人に道を聞くと必ずみんな知っていると言います。でも、道に佇んでい居る人はほぼ“野生のインド人”なので会社の名前さえ知りません。が、必ず答えます。で、当然さまよい続けることになります。(因みに、インドの人々の80%以上は地図が読めないというのが小生の実感です。)

この結果、訪問先に遅れること1時間、しかし、これ位は全く問題ない範囲です。インド時間は、早まることは無く、30分遅れは約束時間内なのです。1時間たっても来ない場合、連絡すると忘れていたなどもありますが、これでさえも何となく会話として『じゃ、またねぇ〜』って終わります。
これにすっかり慣れきって、インド人の友達たちとインドライフを楽しんでいる小生は、もう日本で働けないような気がします。。。

言い忘れましたが、ご存じの通りインドの国土は広く、地域によって気候が大きく変わります。小生が居住するデリー近郊は、インド北部で海から1000km以上あり、冬は0℃〜夏は50℃、一日の気温差が20℃位あります。加えて、物流事情がひどく悪く、北部のインド人(3食カレー常食人種)は日常で魚を食べないので、日本食レストランも数件しかありません。これでも、3-4年前に比べると居・食・住、道路などは歴然と良くなったのだそうです。(今でも、普通に“牛、豚、ヤギ、ロバ、馬、他”達が、道路を闊歩していますが。)

しかし、なにぶん楽しみがありません。食事も生鮮食料品が手に入らず、カラオケも無く、TVはNHKワールドのみ、当然、オネエチャン※※もありません。こんな生活環境の中、何と言っても楽しみは“ギターカラオケ”です。当地の駐在者は30代〜60代前半まで幅広い世代がおられますが、小生も含めて50歳前後の年代層がメイン層です。そして、この世代はやっぱり“フォークソング・ニューミュージック”なのです。家飲みをしながら、興が乗ったころに、“呻る”、最高です。当地インドには、“体育会系ギター部”なるものがあり、日本人会のイベント等での演奏は大人気です。(もし、ご興味がありましたら、You-tubeをご覧になって下さい。)

インドで、ギターで癒され、活力を貰い、唸っている間“よし!最高!いいねぇ”って自画自賛、応援している自分がいます。ギターと共にある今の小生のギターライフ、悪くないような気がします。これって、きっと、生き方に大きな楽しみを見つけたことになりますよね。応援団の方々と“一緒に呻れたらよいなぁ”って、一人楽しみにしています。

最後に、1月から応援団に参加させて頂き、この企画を与えて頂いた山下さんに心からの感謝を申し上げ、乱筆の締め括りとさせて頂きます
また、最後までお読み頂いた方々にも厚くお礼申し上げます。




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