2015年4月30日
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「私と音楽」
 
(ジュンイチ/1983年生/大阪)


初めてギターを手にしたのは中学生の頃。バンドを組んで文化祭で演奏したくてYAMAHAのパシフィカを親に無理して買ってもらった。

文化祭でのバンド演奏は、今でも胸が熱くなる思い出。

高校に入ってからは部活動が忙しくなりギターは全く弾かなくなった。

高校2年の時いろいろあって、学校を休みがちになった。
勉強もどんどんついていけなくなり、部活もやめて家に引きこもるようになった。

そして出席日数が足りなくなり退学。

母子家庭だったので、母親ならきつく怒られるわけでもないと甘えていたのかもしれない。
でもどうにもやる気がでないし、学校や同級生のことを考えると苦しくなるばかり。外に出るのが怖い。誰かに会うのが怖い。
将来も何もかもが嫌になっていた。

そんなときに通信制のギター教則本を見つけた。
毎月CDと教則本が届き、2曲づつマスターしていって1年間で24曲を弾けるように練習するコースがあったので、親に懇願。

いろんなことから逃れたい思いで朝から晩までエレキギターに没頭した。

シンプルなパワーコードから始まり~1年の最後にはイングヴェイマルムスティーンやジョーサトリアーニの曲なども演奏できるようになり、気づけば音符を見て演奏したり楽譜の読み書きができるようになった。

音楽で何かしたい、とか漠然と考えながら、大阪の音楽専門学校へ1年間の夜間コースに入学したいと母に相談。

今思えば本当に母には経済的にも大変な思いをさせていたのに母だけは反対しなかった。

そして大阪に出発するまえの最後の夕食。

用意してくれたすき焼きを家族で囲んでいたら、嬉しくて申し訳なくてありがたくて、たまらない思いが込み上げて泣いた。


それから13年。
不安定だった頃の後遺症はまだ完全には克服できていないけれど、就職もして家族ができて元気に暮らせている。

アコースティック演奏のできるライブハウスにも出逢い、ギター片手に自転車で通っては、マスターや友人達と深夜までギターを語るのがとても楽しい。

最近多忙になってなかなかお店に行けなかったが、お店の先輩からこの応援団に誘われて最近SPに参加することができた。
久しぶりにお店にいくきっかけができてとても感謝している。

大阪に来てから音楽を通じてたくさん経験させてもらったけど、あともう少しのところでなかなか踏み出せなくて20代の頃は思うように活動することができなかった。

だけど30代になって思うことは、音楽にとどまらず他の趣味も広がり色々なことを考えられるようになったし、今は20代の頃よりずっとずっと人生を楽しく感じている。
あの頃踏み出せなかった道にもまた挑戦できるんじゃないか。

まだまだこれからが楽しいのだっ!


趣味の模型や音楽のブログです。画像と合わせたオリジナルインスト曲などもときどきアップしていますのでよかったら遊びにきてください。

「クロネコのブログ」http://blogs.yahoo.co.jp/kuroneko_bee127






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