2005年1月14日
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「共存共栄」
 
(にくやさんの大将/46歳/埼玉)
 


22歳で食肉販売業の仕事を始めてから、「腰痛」と「冷え」との戦いを開戦し、最近はわが身が劣勢に立たされている。
ことのほか去年は苦戦を強いられていた。冬の間は、シモヤケ。6月以降は腰痛の悪化!牛の解体をすると、腰痛!少し回復するとまた牛の解体!腰痛と解体の追いかけっこだ!
おかげで、椅子に座ることが苦痛で楽しみのギターを弾く(と言うより、ギターを触っているが正しいか ~0~ )ことの『至福の時間』がかなり減っている。
ギターを弾いて指が硬くなり始めると仕事や腰痛で弾けなくなり、指が柔らかくなってしまう。しばらくして始めると指が痛い。寂しさのキワミである。

高校2年の夏。蓄えておいたお年玉とアルバイトで稼いだ有り金を握り締めて、友達と降りたった御茶ノ水。
行く店は決めていた。憧れの店、神田の『カワセ楽器店』だ!
買うギターメーカーも決めていた。当時の憧れのブランド、今は無き『ジャンボ』だ。
しかし憧れのブランド『ジャンボ』もいつしか人手に渡り、そして時は流れた・・・

時は過ぎ行き、20年来遠ざかっていたギターに再び巡りあってから、早くも2年が経とうとしている。
ことの始まりは、同級生との忘年会でのギター談義である。たまたまその日の昼間、御茶ノ水にスピーカーを聴きに行った。1月3日で関東地方は雪景色になった。
スピーカーを聴いた帰り道、何気なく入った楽器店で見た中古ギターの『GIBSON DOVE』!南こうせつや谷村新司が弾いていた、高校時代の憧れのギターが手の届く価格で私を見ていた。『HOLD ME』と言わんばかりに!
言わずもがなその月末、家人を説得して、高校2年の夏の時と同じ様に有り金を握り締めて、奮起して『猫に小判』のようなギターを買った。コードも忘れているのに・・・

以来我が家の住人となったDOVEを置いてある部屋に入ると、ニヤニヤしながら『蜜月の時』を送っていた。それ以後時間を作っては、御茶ノ水に通う日々。
これがいけなかった!
『下手の横好き』でギターも増殖した。同じ形で材質の違うギター。同じギターで年代の違うもetc・・・家人の愚痴は聞かぬ振りで!
しかし、この「お宅的」な『蜜月の時』が悪かった。
そう、独り弾き。いつも独りでギターを楽しんでいるので、他人の気配に緊張してしまう。(小心者のせいか ^0^/~)

忘年会をギターで楽しもうということになり、イソイソと出かけたが、人の声と雰囲気に飲まれてしまった!
友人達なのに・・・  指と手が動かない・・・ 落ち着かなければ! 
いつしか独りよがりの忘年会は終わった。
挙句の果てには、自転車を慌ててこいで帰ったため、酔いがまわって担いでいたギターと自転車で振られて3回コケテしまった。
幸いギターは無事だったが。家人には、「ギターが大切なら、弾くなら飲むな」と苦言を呈される始末。
心の痛さと体の痛さを痛感した忘年会だった。

年が改まって平成17年。
腰痛は今のところ小康状態。ただシモヤケは悪化の一途をたどっている。
家人に「TVで血行不良解消には、足の指を動かすと良い」と言っていたと言われ、実践してみる。
まだ結果は出ない。しかし、家人にはいつも世話をかけっぱなしだ、感謝。

遅まきながら、そこで自分なりに出した結論!

持病の「腰痛」と「冷え」も身体を労わりながらうまく消化して、楽しく仕事をする、
共存共栄!

身体を労わりながら、「道場破り ギター編」を実践して楽しくギターを弾く、
共存共栄!

人生、仕事をするから趣味を持てる。 趣味を持てるからまた仕事をする。
あぁ〜素晴らしきかな、わが人生(共存共栄)。
あぁ〜素晴らしきかな、わが家人(共存共栄)。


 
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