「こんなはずでは…」 |
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(カルビ/32歳/北海道) |
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私の高校時代はバンドブームといわれる時代で流れに任せてバンド結成し、そして安物のエレキギターを購入しました。といっても当時の担当はドラムだったので、何となく持っている程度のものでした。曲のイントロとか間奏だけを遊びで教えてもらう程度でしたので、たいして上達する訳でもなく日に日にケースから出てくる回数が減っていき、このギターが日の目を見るのは友達が遊びに来た時くらいでした。
月日は流れ社会人になった頃、お金のかからない趣味をみつけようと思い、本格的にギターを始めようと決心しました。当時は安物のエレキ1本ですら持て余していたので、アコースティックだったらエフェクターやアンプ等の費用もかからず、更に安く済ませられると思っていました。これが勘違いの始まりだったのですが…。
早速、ギターを買いに行くと思ったより金額の幅がありましたが、試奏もせずにお店で2番目に安い国産ギターを購入しました。早速、弾いてみるとブランクもあったでしょうが、まともにコードが鳴らせないのです。テンションの関係だとは解っていたのですが、グイングインできていたチョーキングもままならず、このまま挫折しそうになりました。しかし幸いにも弟がすぐにギターを始めたので2人で練習するようになり最悪の事態は免れました。今、思うと廉価版の初心者ギターだったのに弦高がやたらと高かったです。
一通りコードストロークや簡単なアルペジオが弾けるようになったある日、弟がGibsonのJ-45を買ってきました。これは本当に衝撃的でした。今まで弟も含めて安物のギターしか弾いていなかったので、何の不満もなく弾いていましたが、このギターの音はCDで流れてくるあのギターの音だったのです。今までCDとかの音はいろいろ調整してあり、更にプロが弾いているんだから別物だと思っていたのですが、弟が奏でる音はCDで流れてくる音がしていました。
その衝撃から数週間、Gibsonの音が欲しいと思うようになったのですが、兄として弟のマネだけは…と、くだらない理由からMartinの定番であるD-28を購入する事にしました。当然、GibsonとMartin、ましてやマホガニーとローズウッドなので音の傾向は全く違いましたが、弾いた時の気持ち良さはあの日の衝撃と同じようでした。
それから数年、演奏技術はすっかり弟に置いていかれながらも、毎日のようにギターに励んでいます。ただ更に所有ギターが増え、当初はお金のかからない趣味を探していたのですが、車以外では組んだ事のないローンまで組み、全く思惑とは違う方向へ進んでしまいました。一体どこで道を踏み外したのでしょうね。
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