「マーチンD−45との出会い」 |
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(ダンディー/1950年生/東京) |
出会いは突然でした。自宅が府中で、勤務先が多摩センター(いずれも東京都下で、三多摩地区と言われています)のため、めったに都心には行く機会がないのですが、たまたま新宿方面に行く用事がありました。何気なく立ち寄った某楽器店で何気なく外国製のフォークギターを眺めていたら、店員の方が「弾いて見ますか」と、声をかけてくれました。あらためて展示してあるギターを見るとギブソン、マーチン、他にも高そうなギターがたくさんあるなかで、マーチンD−45がことのほかキラキラと輝いて見えました。多少時間のゆとりもあったので、じゃーこれ、と言ってD−45を弾かせてもらいました。
な、な、なんという音だ。というのが第一印象でした。
今まではと言うと、ギターを手にしたのはかれこれ38年前。大学に入学した際にヤマハの8000円のクラッシックギターを購入したのが始まりです。その後はそのクラッシクギターにスチール弦を張り(今考えるとなんと無謀なことを)流行のフォークソングをジャカジャカやっていました。卒業して就職してからはしばらく遠ざかっていましたが、10年前にインターネットのオークションでヤマハのフォークギター「FG−351B」を1万円で落札して、またボソボソとギターを弾くようになりました。このギターもなかなかのもので、けっこう気に入っていたのですが、シャリーンという音は出ませんでした。テレビで「さだまさし」や「かぐや姫」が弾いているギターの音と違う。テレビでは、きっとマイクが良いのでシャリーンという音に聞こえるのだろうと、ずーと思っていました。
ところが、このマーチンD−45を弾いてみるとシャリーンという音が出るではないか。なんということだ。弾き方やマイクのせいではなくギターそのものが違うのか、と愕然とし、衝動買いの炎がメラメラと立ち昇るのをグッとこらえて、「お、おいくらですか」と聞いてみました。「今なら24回払いまで利息がかかりませんよ。ポイントも50歳を超えていると2倍になりますよ」という甘い言葉。しかし衝動買いにはあまりにも高額。何とか踏みとどまって、「す、すこし検討してまた来ます」と言うのが精一杯で店を後にしました。
帰る道々「シャリーン」と言う音が耳から離れず、月々の支払いの額を計算しながら、どうしたものかと思案をしていました。悪いことにこの日が土曜日で、次の日が日曜日。仕事がある日はなかなか都心まで出にくいのですが、明日は日曜日となれば、いつでも買いにいける。もんもんとしながら一夜を過ごし、ついに決心をしてお店の開店早々に「こ、このD−45ください」ということになりました。
最近はけっこうフォークブームとかでフォークギターを弾く人も多くなっているようですが、これからこのD−45を弾き込んで30年後には次の世代へ置き土産が出来ればと思っています。
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