2007年3月7日
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「フォークギター」
 
(nack/57歳/神奈川)

中学校・高校と何も面白いことはなかった、勉強しろ勉強しろと母に言われ、オヤジも面白くなさそうに生活していたように見えていた。大学に行けば、何かあるだろうと思っていた。

大学に入学してすぐ、ひとつ前の席次の山下君と、校内の芝生で、楽しそうに歌ったり、ギターを弾いたりしている連中を見て、入学式の日に頑張って入ったESSクラブから早速鞍替え。家にラジオやステレオがあるわけでもないので、音楽が何かとは知らなかったが、高校のとき金持ちの友達の家で、ステレオにエレキギターを突っ込んで鳴らしてるのを聴いたことがあって、あの時かっこいいなあと思っていたのを思い出し、あれと同じかなと思って(同じじゃないけど)、同じように芝生に座って、フォークギターと言うものを貸してもらって、弾いてみたのが、18の春。

それから山下君に習いながら、学校にはいくけれど、校門の横の芝生でつかまり、授業には出ない。友だちはできるけど、みんな髪は長い、酒をしこたま飲む。どう見ても皆授業には出ていない。「親父は少ない給料の中から、高い授業料を払ってるのになあ」とか思いながらも、ツイ快楽に負け、やれ夏の合宿だ、学園祭だ、と芝生寺子屋通い。そうこうしてるうちに俺には音楽の才能がないことに気づく。ウッドベースにトライしたりもしたけどやっぱりだめなものはだめ。

ということで、スタッフ側にまわる。これが意外と合っていて、ここぞとばかりに渉外担当になって女子大とのコンパのセッテイングだ、技術顧問(もちろん俺じゃない)の派遣、コンサートの舞台監督だ、こりゃいいやと。やってるうちに音楽を演奏する暇がなくて、ギターが弾けないまま終わっちゃったのである。そのうち会社に入って、忙しい、忙しいといってるうちに、いい年になってしまっている自分にはっと気づき、接待ではじめたゴルフが唯一の趣味とはあまりに寂し過ぎるぞ俺の人生。

18歳のころの気持ちに戻ってみると、邪念のない18歳の気持ちを思い出してみると、フォークギターを弾けるようになりたいなあ、マーテインを弾きたいなあとおもっていたのになあ・・・・・

えらい遠回りしてしまったなと今になって気づいてもどうにかなるでしょう。

とゆうわけで、長くなってしまいましたが、とりあえず、ガットギターを買ったのです。だって指がは痛いし、コードは押さえられないし、もう1度はじめから。でした。

少しづつでも、進んでません。だって会社から帰って夜は酒飲んでしまって、練習しない奴なので。仕方ないだめオヤジなのです。
・・・・・が、新聞のチラシにシニアギタースクールを見つけ、体験教室に行ってみることにしてみました。でも電話でギターを持っていかないとだめですかと聞いてしまう軟弱さは、いまだに直っていません。スクールがうまくいって続いたら、今度はマーテインを買うことになれるかも。

えらい永かったなあ。

ほんとにつづくかなあ。



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