2007年8月14日
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「ギター探しの旅」
 
(ハカランダ/1951年生/茨城)


初めまして、先日登録させていただいたばかりですが、山下様からエッセイのご依頼をいただき、僭越ではありますが、投稿させていただきます。

私は、ご多分に漏れず1970年代のフォークにあこがれてアコギを手にしたフォーク小僧であります。20代後半からは、やはり仕事にかまけてアコギからは遠ざかっておりましたが、坂崎幸之助氏が、某、半国営放送で“オジさん、押入れにしまってあるギターを出して一緒に弾きましょう“の言葉どおりに、クロゼットに仕舞い込んでいたヤイリを久しぶりにボロンとやったのが、ヤケボックイに火が付いてしまったようです。以来、トラディショナルフォークばかりではなく、アリソンクラウス、シェリルホゥイール、KTタンストール、ザ.ジャズなどのブルーグラス、カントリー、コンテンポラリーものまで、幅広くアコギを追求しております。

ところで、みなさん、ギター探しの旅、道中いかがお過ごしですか?

10年前、ある中古楽器屋で手にしたHD28の音色に衝撃を受けて以来、カミさんのヒンシュク、家族の非難、自分の演奏能力をも顧みずの一人旅。繊細かつ腰のあるマーチンサウンド、なかなかピッチが合わないけど、野太いサウンドのギブソン、絹糸を弾くようなラリビー。どれも捨て切れない魅力いっぱいのギター達ですね。東にマーチンのOMが良いと聞けば行って弾き、西にラリビーの良いのがあると聞けば行って見て、果てはテーラー、ギブソンと続いてきた旅ではありますが、そろそろ、長旅も終わりに近づいた感がある今日この頃です。

今、あなたの手元にあるギターは何でしょう? 

私の場合、YAMAHA FS-720です。このギター、いわゆる安物の部類に入ると思うのですが(ヤマハさん、すみません。)、なかなかどうして、馬鹿にしたものではありません。音色(サスティン)、抱え心地、ネックの太さ、弦高、すべてが一応、私の基準をクリアしています。そして、なによりも、気を使わなくて良い。弦は張りっぱなしで壁に吊りっぱなし。弾きたいときに、すぐ手にとって弾けるし,どこにでも気軽に持っていけるギター。行き着いたところは結局これでしたね。たとえトップが割れたとしても、3万です。(なかなか割れません。)
それに比べて、All単板の高級ギターは、ヒヤットハットが多くて・・。いつもハードケースにしまい込み、開けるときは必ず湿度をチェックして傷がつかないようにケースから取り出し、演奏後は、クロスで乾拭きして、そうっと仕舞う。蛍光灯に透かして、僅かな傷を見つけると心臓バクバク、後悔にさいなまれる。そんな気の弱い私のお気に入りは、YAMAHA FS-720です。



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