「ギターと病気の関係」
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(むらちゃん/1957年生/京都) |
病気は突然やってきます、おやじと呼ばれる年代になると健康に多少の不安はあるものですが酒や遊びの誘惑に負けて不摂生の日々、小生の場合はある日、仕事を終えて帰ろうとしたとき初めて経験する強いめまいに襲われて、今日のめまいはすごいな〜、なんて考えてると、あららまっすぐ歩けない。なんと身体の左半身がまったく動かなくなっていました、左手の指なんてピクリとも動きません。脳血栓というやつでしょうか、幸いにも同僚達がすぐに気づいて椅子に座れせてくれたり、靴を脱がしてくれたり、さてさて救急車を呼ぼうか、と言っているうちに身体が宙に浮くような感覚になったと思うと、徐々に左手が動きはじめました、血流が戻ったようです、一過性虚血性脳発作と言うそうですが短時間ながら左半身マヒの恐怖を味わうことになりました。
それにしても、どんなに頑張ってもピクリとも動かない左指を見て、「これじゃギターが弾けんっ」という思いで悲しくなりました、若い頃ほどはギターを弾いていなかったのに、なぜ真っ先にギターが頭に浮かんだのか不思議です、半身不随の身ではギターどころではないのに・・・。
翌日、病院の脳外科の先生に「おたく運がいいですねえ」と言われ、血流が戻っているので通院でいいですよ、とのお告げ、帰宅後それまであまり弾いていなかったエピフォンテキサンをホコリのかぶったケースから取り出し左指が痛くなるまで弾き続けたのでした。
しかし「人間万事塞翁が馬」、病気のおかげで酒は飲めなくなり(最近は少しは飲めるようになりましたが)、たばこもやめて、となると意外と小遣いはたまるもので、夢のような存在だったマーティンD28を購入できたのも病気のおかげでしょうか。
健康で暮らしている、それが当たり前だと思っている方は多いと思います、でも人間の身体は思っているほど丈夫じゃありません、経年劣化は思った以上に進みます、歳月を経て鳴りのよくなるアコギではないのです、血管一本詰まっただけで多くの機能が奪われてしまうのですから。ギター弾きなら、年に一回ぐらいドックに行っといた方がいいですよ、大火事も最初は小さな火、病気も早期発見なら大事なく治まります。
あなたの左指が、いつまでもガシッとコードを押さえられるように、右指が華麗なスリーフィンガーを奏でられるように・・・。
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