2010年8月10日
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「後悔、ギター好きのあの人に会えたら・・・」
 
(にっしゃん/1958年生/大阪)


過去を振り返って見ると、学生当時、出身地である大阪の南(河内)で、当時、量販店でのアルバイトをきっかけにアルバイト仲間からバンドを組まないか?という誘いがあり、メンバー5人、当時、下は18歳〜19歳、私は21歳、そして31歳の年配のメンバーで、主に野外で、たまにスタジオで練習をし、市民会館や公園、路上にてコンサートをしていました。

皆、社会人となり、結婚、そして子供ができ、バンド活動は、知らず内に消え、それでも大阪地元にいる間は、たまにそのメンバーの一人である年長の方から、休日、「暇でっか?よかったらギターで歌でもどうでっか?」と誘いを受け、当時は、折角の休み、ギターなんかもうええわ!と内心思いながら、気が向いた時だけ、付き合い程度に対応していました。

それから仕事で各地へ転勤(九州そして海外、香港へ)、仕事での悩み事も多かれ少なかれあった時でもあるのですが、帰省の度にその人からは、「久々にギターやりましょ!この日どうでっか?」とよく連絡を貰い、いつも気にかけて頂いていたのですが、仕事、家庭に追われ(考えて見るとその時はギター、歌う事が面倒臭かった)、いつも断っていたような状態でした。

4年前、50歳手前で、海外から帰任し、その時も連絡を度々頂き、「マーチン買いましたで、ええ音なりますわ、今度、弾いて見て下さいな!」  でも私の気持ちは、もうギターなんてと思いながら、1回だけ会ってギターを弾き、「懐かしいですなあ!これからは、ちょこちょこギターで歌いましょや」と誘いを受けていましたが、結局、私はそれから、せずじまいで、忘れて過ごしていました。

それから連絡もなくなり、1年後、こちらからも、ほとんど連絡しなかったのですが、突然、その人の奥さんから、「主人が昨日亡くなりました、今日、通夜でできたらお葬式に来てもらえませんか・・・」
えっ どうして?! うそ??! 本人からは、病気で入院している様は、見られたくないとの思いで、奥さんには誰にも連絡しないでと・・ 
まるで、悪夢の様で、お葬式に参列させて頂いたのですが、あれだけギターやりましょといつも誘って貰ったのに、なんでしなかった、行かなかったんや!連絡もいつでもできたのに!と何回も何回も後悔しながら、涙が溢れ、またギターを共にやってれば、こんなに早く、それもまだ60歳やのに、この時は、すごく後悔致しました。  悔いてもどうにもなりませんが・・

それから、自分でも不思議なのですが、やたらとギターが気になり始め、取りつかれた様に、若い時以上に、ギターを頻繁に弾き始め、気がつけば、新しいギターを購入し、暇さえあればギターに触れている状況です、自分でも不思議なのですが。

まだその人への後悔の念は、消えておりませんが、縁あってこの戦うオヤジの応援団のブログを見つけ、今後、可能な限り、SP等参加し、腕を磨いて、「ギターでもやりましょ!」といずれは、誘いたい、あの世があるのなら、本当に・・・・




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