2011年6月7日
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「ご縁」
 
(オデッセイ/1956年生/兵庫)


今をさかのぼること40年あまり前、私が中学1年生の頃のお話しです。
中学校にいけば「算数」が「数学」に名前が変わり、そして新たに「英語」という科目が加わると言うことで、胸をときめかせながら中学に通い始めました。

その当時の英語のクラスは勿論、A,B,C・・・、アルファベットの発音から入りました。そして初めて覚えた英文は

I have a book.

という文章でした。「私は本を持つ」という内容を徐々に変化させていく中で英語を覚えるという方針だったんですね。

「私」を「あなた」に変えて

You have a book.

「本」を「ペン」に変えて

You have a pen.

という具合です。
さらに「ペンを持つ」を「ピアノを弾く」に変えて

You play the piano.

ここで楽器には必ず「the」をつける、ということも学んだことを覚えています。そして「ピアノ」を「ギター」に変えて

You play the guitar.

ときました(笑)。

当時、私は小学校で弾いていた縦笛(リコーダー)とハーモニカしか知りませんでしたので、ピアノもギターも未知の楽器でした。
(ピアノは音楽室で見たことはありましたが、ギターは実物を見たこともありませんでした)

中学校の英語の授業は「疑問文」に入っていきます。

Do you have a book?
Yes I do.

という風に進化(?)していきました。
その頃になってくると、英語の先生は授業中に、いろいろな生徒に

Do you have a pen?

などと聞いていき、返事をさせて英語に親しませていました。

ある日、先生は私の前に座っていた生徒に

Do you play the guitar?

と聞いてきました。するとその生徒はなんと

Yes I do.

と答えたのです。

その生徒は少し地味な目立たない子でしたが、その会話以来クラスのヒーローになってしまいました。私も「ギターを弾けるなんて、かっこいいなぁ」と心から思ったのを今でも覚えています。
その後、当時3000円だったガットギターを買うことになるのですが、思えば、あの瞬間から私の人生の傍らにずっとギターが在るという「ご縁」になりました。

おかげさまで現在も私はギターに関わる仕事に就かせていただいております。この先もギターと一緒にいれるだろうことを最高の幸せだと心から感謝しています。





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