2017年2月27日
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「思いだし組」
 
(なちお/1963年生/神奈川)


初めての楽器はギターでした。あれは中学二年生の時。楽器を演奏しようと思う男子の動機に「女の子にもてたい!」と言うやましい考えがあるのは皆様の共感を呼ぶのではないかと思われます(笑)しかしその後の人生経験で「ギターが弾ける男の子」がモテるのではなく、「カッコいい男の子がカッコよくギターを弾く」からモテるのだと理解するようになりました。(笑)

私は北海道の片田舎出身です。当時ラジオから流れてきた曲が松山千春さんの「時のいたずら」でした。それまでは音楽などは学校で習う「音楽」の授業か、アイドル(私の時代だと桜田順子さんやキャンディーズなど)がTVで歌っている曲などです。ところが「時のいたずら」の衝撃は、今まで自身の聞いてきた音楽を凌駕するものだったのです。
「オレ!ギター弾く!」と決意した瞬間でした。
とは言へ、モテたい8割、「時のいたずら」2割くらいの比率ですが。

その後高校時代にハードロックでベース、オフコースコピーバンドでドラムと活動していたのですが、上京とともにすべてやめてしまいました。
40代半ばの転職を機に、再度音楽活動(ドラム)を開始しました。二十数年ぶりの再開は苦労することも多かったのですが、昔取った杵柄、思い出すことも結構あり楽しいものでした。
元々歌うことが好きでした。高校時代のオフコースコピーバンドではドラム兼リードボーカルをとっていました。転職少し前に副鼻腔炎を患い、ひどい鼻声になりまして、「自分はもう歌えないのだなぁ」と諦めていました。しかし医療の進歩のおかげで今は薬で症状を抑える事ができるようになりました。そうなると「ギターで弾き語りがしたい!」と思うようになるのです。
バンド活動(ドラム)でライブを経験し、演奏することの楽しさ、聞いてもらう事の嬉しさ、音楽仲間の出会いなど経験し、又それとは別に自分でギターを弾いて歌う楽しさも思い出しました。

その後色々なオープンマイクなどに参加し始め、音楽仲間と話をすると、私のようにしばらく音楽から遠ざかっていた人が多くいることがわかりました。私はそれを「思いだし組」と勝手に呼んでいます。そしていつしかそんな「思いだし組」の人たちが集える場所を設営できないかと考えるようになりました。そしてついに決意し「Live Bar あずましぃ」を開店いたしました。
いつか応援団の仲間にも使っていただければと考えていますが、何より「俺。昔ギター弾いていた」とか「私。昔ピアノ弾いていたわ」などの「思いだし組」予備軍の方々に、「もう一度やってみませんか」と話しかけることをモットーとして活動していきたいと考えています。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。


 


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