2007年8月23日
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「どこかに置き忘れてしまっていた自分」
 
(iwa/1956年生/静岡)


●70年代へタイムスリップ!
三十年余りの沈黙(封印)を破って再びギター青年(オヤジ)に復帰してしまっている自分が今ここにいる。こうして拓郎の曲をスリーフィンガーで弾いていると、まるで70年代へとタイムマシンにでも乗ってタイムスリップしたような感じです。まだ小僧だった高校生時代に戻ったような気持ちで実に懐かしくて、涙が出そうなくらいである。

こうなったきっかけはやはり血は争えないもので、私の息子がすでにかなりの音キチになっておりまして、その息子がある日「お父さんはよく音楽聞かなくて平気でいられるね、ぼくなんか音楽がないと生きてゆけないよ、お父さんむかしはあんなにやっていたのに、僕らが小さい頃拓郎ばかり聞いていたのに、なんで今全然聞かないの」と熱っぽく語ったのがきっかけでした。

最初は「勝手に聴けば」と他人事のように聞き流していましたが、知らず知らずのうちに自分の心の奥底にしまってあった何て言うか音楽の虫とでも言うのでしょうか、そういうものが騒ぎ始め、「気が付いたら僕のほうが音楽を好きになってーいた♪」なんて、誰かの曲みたいですけど。

気がついたら楽器屋に行ってギターや小物類をを買い漁っていました。今まで海ばっかり行っていた週末の過ごし方が一変した今日この頃です。結局火付け役の息子以上に力が入ってしまい、父親の変貌ぶりを見た息子は「お父さん最近いつもあんな調子?」と逆に不思議がっているようです(苦笑)。

●ギターとの出会い
私と音楽、とりわけギターとの出会いは、高校1年の時同級生が気持よくギターを弾くのを見て、自分も真似して姉に借りたガットギターで教本を買ってドナドナとかを自己流で弾き始めたのがはじまりです。

その後フラットピッキングの弾き方が多い中、教本に載っていたアルペジオのpimaの指の動きが知らず知らずのうちにやれるようになり、そうこうしているうちにフィンガーピッキングというものを知りました。普通のアルペジオとちがって右手の薬指と小指をギターにつけて弾く弾き方が自分にはカッコよく新鮮に思えました。もちろん自分もそれを真似して、ふつうのアルペジオのときはそのままですが、スリーフィンガーのときは今でもギターに指を付けて弾くスタイルでやっています。ツーフィンガーも試してみましたが、「全然これでも弾けるじゃん」と思ったものの、さすがに二本の指では忙しすぎるので、普通のアルペジオ+スリーフィンガーというスタイルに落ち着きました。

●ギターとの一期一会
生まれて初めて弾いたギターは姉に借りたガットギターでしたが、次に買ったギターはYAMAHAのFG-251Bで、このギターは弦高がかなり高くて非常に弾きにくかったので、だんだん弾かなくなってしまっていたのですが、最近になって弦高を調整することによりかなり弾きやすくなることをネットで知り、ヤスリでサドルを約1ミリ削って(リペア初チャレンジ)弦高を下げると、なんと見違えるほど弾きやすくなりました。安価なギターですけれどもさすがにYAMAHAだけあって鳴りはよいので、あきらめていたギターがよみがえったような感じと言うか、喧嘩別れした友人が戻ってきたような感じですごくうれしかったです。

人と人との一期一会はもちろんあるのですが、物を大切にすると言うか、物に対しても一期一会というようなことがあるのではないかと思えるような体験でした。これからマーチン?ギブソン?それとも国産?どんなすばらしいギターに出会えるか楽しみです。(それにはもっと腕を上げねば)

●好きな音楽ジャンル
私は基本的にはアルペジオ、フィンガーピッキングが好きなのですが、フラットピッキングも含めいろんな曲を弾きまくりました。PPM、森山良子、ボブディラン、岡林、加川良、拓郎、陽水、泉谷ビートルズ、S&G、かぐや姫...。

その中で結局耳にタコができるほど聞いたり弾いたりしも飽きないで今でもこわれたレコードプレーヤのように演っているのは拓郎なのです。

拓郎も初期のころはフィンガーピッキングの楽曲が多かったし、コード進行もボブディラン風でシンプルで、カーターファミリー奏法も多用していたのでそういう弾き方と言うか音がすごく好きでした。しかし、次第に拓郎自身(ボブディランもそうでしたが)もエレキに持ちかえたスタイルに変化してきて、フィンガーピッキングはおろか弾き語りすら滅多にやらなくなってくるとだんだん聞かなくなった時期がありました。

ところが、昨年のつま恋を見て拓郎は拓郎でしっかり自分のジャンルを確立して今に至っているんだな、と思えるようになり、バンド活動になってしまっている拓郎の楽曲もまた新鮮に思え、再認識してしまったことも今回再び音楽の趣味に走った一因にもなっていると思います。

●取り巻く環境
それにしても最近のギターを弾いたり練習したりする環境は30年前と比べると目を見張るものがありますね。ひとつはメディアですね、これは好きな音楽を何時でもどこでもしかも大容量でコンパクトに持ち運ぶことができます。

もう一つは、なんといってもネットですね、調べたいことがいつでも調べたいときに調べられることはギターを練習する上では昔に比べればかなり有利な環境が整ってきていると思います。ですからこんなに恵まれた環境でギターをやらない手はない、たとえオヤジであってもむしろだんぜん今が旬だと私は感じているのです。

●その他
ちなみに私も御多分にもれずかなり凝り性なので、ほかの趣味もたくさんやってきました。共通して言えることは常に参加型ということだろうと思います。

音楽もやはり聞いているだけでは飽き足らず、当然演奏までもしゃしゃり出て2倍楽しむたちすし、スポーツでいえばサッカーが好きですので当然見ているだけではつまらないのでチームに入って実際にプレイしたり審判やったり、指導員やってみたりいろいろです。あとはアウトドア、釣りが大好きで、やはりこれも自分で作った仕掛けを試して楽しんだりしています。

以上、こんな「フオークソング狂いの馬鹿オヤジ」ですが、オヤ応のみなさんと楽しくやれればと思っています。いろいろ教えてください。乱筆乱文でしたが、最後までお読み頂きありがとうございます。




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