2011年4月20日
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「再度ギターを握った理由」
 
(和彦/1960年生/愛媛)


東日本大震災にみまわれました皆様に深い哀悼の意を捧げ、一日も早く復興することを心よりお祈りいたします。

愛媛の和彦といいます。新人ですが宜しくお願いいたします。

再度ギターを握ったわけは近年交通事故に遭い1年余り病院生活とリハビリに明け暮れた生活をしました。それから3年後、声帯にガンが出来て手術。良性との事でどうにか声が残りました。

元気な頃は家族でカラオケに行ったり趣味の登山と山岳写真も頑張って県展等にも出展しておりました。この2件の事件で生活リズムも変わり休みの日はボーっとしてゴロゴロの日々。

そんなある日、子供達から昔ギターを弾いてたのならまた弾いてみれば?と息子のギターを手渡されました。中学、高校時代はフォークソングの全盛期でしたので気の合う仲間で集まってバンドの真似事をしておりました。文化祭で公民館で、市民会館で、いろんなバンドが集まってよく演奏会もやりました。

少しは弾けるかな?と思いながら弾いて見るとまったくダメでした。左手の人差し指先が潰れたために、痛くてコードが押さえられない!!事故の時に…。ショックでした。それでもテレビを見ながらただ押さえる練習、そんな時に変則的に小指を使えば…と思いつき、また変則的な押さえ方での毎日の練習に明け暮れました。

やはり無理があるのかコードからコードへの指移動がかなりぎこちなくスムーズに出来ません。でもテレビを見ながら指だけ押さえる練習を繰り返していると慣れてくるもんなんですね。簡単なコードなら問題なく押さえて音もきちんと出てスムーズに移動できる様になってきました。それまで半年ぐらいかかりました。

今は曲に合わせてストロークとアルペジオの練習をしております。コードは変換してカポ付けて押さえやすくしてます。ただ声が…出ない!!声帯の厚みが半分しか無い為にかすれて口パクになる。まあ仕方ないか。と諦めてリハビリを兼ねて唄ってます。そのうちに出るようになる!!と信じて。

そんなある日、仕事から帰り自分の部屋に入るとポツンとベットの上にギターとメッセージがありました。子供達みんなからのプレゼントでした。メッセージには途中で諦めずに毎日続けている姿を見てると感動しました。もうこれで辞められないね。僕のギター返してね。って書かれてました。

普通のギターでいいのに憧れのマーチンでした。こんな高いの買って…。昔は憧れて高くて高嶺の花だったなんてボソッと言った為に…涙が出て止まりませんでした。ですから諦めて辞めれない。今までどおり毎日ギターを握って練習してます。

メンバーの皆様の様にギターも弾けない、歌も唄えない、そんな私ですが自分を変えていく意味と同じ様な境遇の皆様の勇気になればと思い参加させて頂きました。

OWLマスターさんやハンターさんの暖かいお言葉も頂き、まだ参加出来ておりませんが交流会にも是非参加したいと思います。

大変長くなってしまい、最後まで読んでいただいた皆様有難う御座います。 今後とも宜しくお願い申し上げます。





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