2011年4月26日
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「僕が『拓郎age』をはじめた理由(わけ)」
 
(拓郎age/1956年生/長野)


 昨年の9月30日、長野駅前に70年代フォークの酒場『拓郎age』をオープンしました。
しかしこの店主ときたら飲食業の経験はもとより、人前で歌ったり、演奏したりの経験すら持ち合わせないのです。最近、ぼちぼち常連と呼べそうなお客さんも現れてきましたが、彼らはまるで口裏を合わせたかのように「よくまぁ、無謀なこと、したよね」と言います。
考えてみるまでもなく、70年代フォークの店です。チョットいっぱい、と言って立ち寄る飲み屋ではないのです。まして東京だ、大阪だという大都会ではなく長野という田舎町です。商売として成り立つのか甚だ疑問でした。ただただ拓郎が好き、70年代フォークが好き、それだけの理由で突っ走ってしまいました(笑)。先のことをあれこれ心配するより立ち上げることに、それこそ無我夢中でした。

 僕を突き動かした力の源はやっぱり拓郎です。しかも拓郎が20代に作った歌が50代半ばの僕を動かしたのであります。『青春の詩』の一節に「大人があと30年生きるなら僕たちはあと50年生きるだろう」とあります。その大人になった僕の人生も、生きてきた時間より残された時間のほうがはるかに短くなった。そのことをひしひし実感したとき僕はフォーク酒場を作ることを決意したのです。

 「マスターも何か歌ってよ」と声がかかったとき、ギターも歌も下手くそな僕は、清水の舞台から飛び降りるような心境で拓郎の『白夜』など歌っているのです。お酒を片手に拓郎にカンパ〜イ!70年代にカンパ〜イ!そして我らが青春にカンパ〜イ!

 ところでオヤジ応援団の、全国の演奏できる酒場一覧に『拓郎age』もリンクされていますが、その中の僕のブログ、『マスターの独り言』、仲間内ではけっこう評判いいんです(笑)。興味のある方はぜひ一度読んでみて下さい。





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