HIKAWA ACOUSTICGUITAR Mini Concertは、私が、この10年あまり続けてきた「生音」を大切にしたギターコンサートです。
いらした方に「そのギターらしさ」を感じてもらうために、音響装置の使用を最小限にとどめ、コンデンサーマイクでの集音を原則としています。なるべく小さな会場を選び、「お客さんが演奏者だけでもよい」というコンセプトです。
第1回はコミセンの音楽室で行いました。インターネットで知り合った友人・知人が来てくれたり、教員という仕事柄、子ども達が来てくれたりしました。クラスの保護者の中で、ヒカワアコースティックギターコンサートのホームページをご覧になった方がいらっしゃって、「是非、聞きに来たい」とのメールを頂いたのです。
クラスの子ども達や職場の同僚に来てもらい、「観客」が増えた事は有難かったのですが、果たしてコンサートとしては、どんなものだったか・・。
実は、会場の場所取りに合わせるように当時、同居していた兄の具合が悪くなり、入院、その後、あれよあれよと言う間に他界・・。迷惑をかけてしまいそうだったので、それまで参加していた親父バンド「コーヒーブレイク」を抜けました。でも、この小さな企画は是非行いたいという思いで中止にはしませんでした。
このミニコンの為に「一蓮托生」という3人のささやかな(?) ユニットを取り急ぎ作って、バタバタと練習を再開しました。ネットの知り合いから「第1回ヒカワアコースティックミニコンに参加したい」旨、連絡頂いたのもこの頃です。
「スピッツ」のコピーの練習を短期間で行い当日を迎えたわけですが、前日になって、ボーカルをやってくれる予定だったメンバーが花粉症でダウン。(「スピッツ」のコピーは、彼のリクエストでした。)コンサートは、私と相方とで、これまでの手持ちの曲のみでしのぐことになりました。
予想通り、いつも指慣らしに弾いていた「ラグリマ」すら「ぼろぼろ」でした。一方、友情出演の方たちの演奏は素晴らしく、好対照(?) でした。
演奏会が終わって、「ギターの試奏会」となった時に、コーヒーブレイクのバンドマスターもかけつけてくれました。
とても慌てたコンサートでしたが、保護者の方から「暖かいコンサートを有難うございます。」「先生の『アルハンブラの思い出』はとてもよかったですよ。」との感想を、それぞれ頂きました。保護者の方の感想に、救われた気持ちでした。
おまけで企画した「試奏会」の時に、クラスの可愛い男の子達も参加して、私のギターを、興味を持ってガシャガシャと弾いてくれました。私自身はとても微笑ましく思っていました。でも、それを見たある方は「あのギターの値段を聞いたら、お母さんたち、びっくりするだろうね。」とおっしゃっていました。また、来てくれた職場の後輩の子が、帰りがけに思わず楽器屋さんに寄って、同じギターがないか探してしまったそうです。「やっぱり、なかった。」と言っていました。世間様から大きく逸脱した世界に足を踏み入れてしまっているのを改めて実感したコンサートでもありました。
音楽室でのコンサートは、それなりに楽しめたものの、音場として厳しいものがありました。その為、第2回からは、コミュニティセンターの小ホールを借りるようになりました。「お客の数が少なければ、お客をステージに上げてしまおう。そこで聴いて貰えばいい。」などと考えていました。
第2回では、行きつけていたギターショップの店長さん達にも参加してもらい、ぐっとコンサートらしくなりました。そして回を重ねる毎に、毎回参加してくださる方たちも増えて、今年の8月4日のコンサートで11回目を迎えます。
ここ数年、あまりの多忙のため、趣味のホームページは現在休止状態ですが、毎年1回のこのコンサートは大切にしていきたいと思っています。
余談ですが、先日、制作家の大屋建さんから、数年ぶりにメールがあり、10年以上前にオーダーした12弦ギターができあがったとの連絡を受けました。「大屋さんが12弦ギターを作りたくなったときに作ってもらうのでいいです。何年でも待ちますから。」というとんでもない約束をしていたギターです。「クラシックの弾ける12弦ギターを」という滅茶苦茶な要望に見事に応えて下さいました。手元に届いたギターは、12弦であることを忘れてしまいそうな柔らかなテンションで、とても温かく優しい音色を奏でてくれます。
今回、このギターでは、「となりのトトロ」「ハウルの動く城」「月光」「グリーンスリーヴス」を弾くつもりですが、どのようなことになりますか、とても楽しみです。
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